The metal piece is clamped in the chuck of a lathe. Shallow depth of field.

1から始める汎用旋盤

旋盤加工!!生爪、硬爪どちらを使うべき?選定基準はここを見る。

 

皆さんこんにちは。高橋です。

フライス、汎用旋盤、マシニングセンター、NC旋盤を用い金属加工をして25年になります。

一部上場企業,各種ベンチャー案件の加工品を3万件以上こなしてきた経験から

当ブログを順序だてて読む事によって

旋盤やフライスをまったくゼロの状態の初心者から自由自在に扱えるようになる。

そんな記事を発信しています。

今日は汎用旋盤の爪って何種類かあるけれども

どの爪を使って加工すればいいの?

そんな疑問に答えていきます。

この記事を最後まで読む事によって汎用旋盤で金属加工をする際に

どのような爪でどんなつかみ方をすればいいのかわかります。

それでは目次です。

  1.  結論
  2.  硬爪のメリット、デメリット
  3.  生爪のメリット、デメリット
  4.  汎用旋盤の爪とNC旋盤の爪
  5.  生爪のコストダウンと時間短縮
  6.  まとめ

結論

汎用旋盤の場合、硬爪か生爪か迷ったら、ほとんどが硬爪。

ワークが薄くて咬みづらい特殊形状だったり打痕等うるさい場合は生爪を検討。

この二つです。

結論から先になりましたが

硬爪、生爪。それぞれの特徴を書いておきます。

 

硬爪の特徴

硬爪は、名前の通り焼き入れ加工がされた『硬い爪』です。

焼き入れが入ってる為成形ができず。

生爪のように精度を出したりってのは不向きです。

鬼爪、ハードジョーと呼ばれたりします。

硬爪のメリット

硬爪は焼き入れ加工を施しているため頑丈ですので、

すり減ったりって事はあまりなく、繰り返し何度でも使えるメリットがあります。

その頑丈さのために黒革付きの無垢材でも爪の損傷を機にせず掴めるため、

材料に対して点あたりでOK、直径の大小を問わずにクランプできます。

硬爪のデメリット

モノによってはバランスが取りづらいのと

クランプする力加減によってはワークに傷、打コンが入ってしまう事ですね。

ただしこの打コン対策では真鍮の薄い板を三つに挟みで切って

硬爪とワークの間に挟む事によってかなり軽減されます。

僕は缶ジュースの空き缶なんかをハサミで紙みたいに切ってそれを爪とワークの間に挟んでクランプしています。

後はある程度交差が出ている材料をクランプする場合は

汎用フライスで刃物をクランプする際に用いるコレットなんかで咥えたりもします。

生爪の特徴

一方、生爪はその名前の通り生材、

焼き入れ加工が施されていない爪で、

ワークの外形、内径に合わせた成形が可能です。

生爪のメリット

ワークに合わせて加工する事で、

しっかりとしたクランプ、一度外してひっくり返しての加工の際にも、

芯ずれ等なく正確な加工が簡単にできます。

薄物や硬爪でクランプが難しいような品物でも、その品物をワークする為だけに生爪を成形するので楽々とクランプする事が可能です。

生爪のデメリット

一回一回成形しなければならない為生爪購入のコストと成形の時間が大幅にかかります。

生爪がある程度そろってくれば加工始めまでの時間も全然違うのですが普段からある程度作って置いたり等対策が必要です。

何度も使用していると摩耗やゆがみが起きるので消耗品となります。

また生材の為、黒皮付きの無垢材などをクランプすると簡単に傷がついてしまい。後々作り直さねばなりません。

汎用旋盤の爪とNC旋盤の爪

汎用旋盤ではスクロールチャックに硬爪

NC旋盤では油圧チャックに生爪

をそれぞれ使うことが多いです。

理由は汎用旋盤には

ステップブレーキって呼ばれてる足で押せるブレーキがついてる分

何かあった時に主軸の回転を止めやすい。

NC旋盤なんかでは

ワークが外れた際に主軸回転の方がセンサーですぐ止まるようになっていますが、

それでも点押さえでの硬爪はちょっと怖いですね。

生爪を使用する場合は

そのつど購入しなくてはならないのと

生爪を成形の時間をかける分、

加工開始までコストと時間がかかるデメリットもあります。

ただし、

生爪は芯ブレが少なく

加工精度の方も硬爪でただクランプするだけの状態と比べると格段に良いの

でその特性からNC旋盤でものすごくよく使われるってのも納得ですね。

NC旋盤での生爪成形に関しては以下リンク貼っておきます。

生爪のコストダウンと時間短縮

個人でやられてる旋盤屋さんなんかでは

硬爪に装着するアタッチメント形式の生爪を使ったりして

硬爪、生爪のメリットデメリットをものすごく緩和している所もありますね。

こんな感じの爪になります。

画像

アタッチメントでこういったセットで売ってる場合もありますが

NCやマシニングをかけてる間の時間で

汎用フライスなんかで作れたりします。

爪先の角度だけ注意すればかなり良い感じですね。

赤丸の部分をじぶんが使ってる硬爪の先の部分の角度に合わせて

加工して生爪購入のコストダウンにも繋がります。

まとめ

汎用旋盤の場合、硬爪か生爪か迷ったら、ほとんどが硬爪。

ワークがもの凄く薄い特殊形状だったり打痕等うるさい場合は生爪を検討。

冒頭の結論そのまんまですが汎用旋盤の爪の選定に関してはこれでほぼオッケーだと思います。

さて今回は旋盤加工。生爪、硬爪どちらを使うべき?について解説させて頂きました。

当ブログでは順序立てて読んでいくことによって

汎用旋盤や、汎用フライス、マシニングセンター、NC旋盤

を自由自在に使えるようになる内容になっており、

ハンズオンで実際に制作物を作りながら工作機械の使い方を学べるようになっております。

今後の励みになりますので是非ブックマークの方して頂けたら嬉しいです。

それではまた次の記事で会いましょう!高橋でした!

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